淡々と政務を片づける。
政宗が安土へ行っている間、奥州では小十郎が代理で政務を見ていた。幸いなことに大きな問題もなく、日々を穏やかに過ごしていた。政宗も間もなく帰国する頃合だ。
出立する直前まで、まるで子供のように自分に食い下がっていた政宗を思い出す。
──お前も行こう、何で来ねえんだ、いいから来いよ。
それでも小十郎は行かなかった。政宗に忠誠を誓う小十郎だが、無条件で何もかもに従っているわけではなかった。
政宗の宿願、それは天下統一。そして政宗の望みは自分の望み。
そのために行かないことを選択した自分は間違ってはいない。今でも揺ぎ無い確信だ。奥州筆頭とその右目が、大きな合戦であればともかく、同盟の確認のためだけに揃って国を空けることは良策とはいえない。小さなことと思われそうだが、政治を知る者にとっては小さくはなかった。政宗は無論理解していたが、感情が付いていかないという色をありありと顔に浮かべ、それでも最後には「そうだな、悪かった」と小十郎に無理を言ったことを謝罪した。
政宗が謝る必要はない。小十郎はそう思っていた。
我儘ではなく、忠実な右目への気遣いだった。
政宗様ならそうおっしゃると思っていた──小十郎は思う。申し訳ない、とも。だが同時に、政宗のそれは優しさだと分かっていた。主君は素晴らしく優しい。仕える自分としてはそれが何よりも誇らしく、そして不安になる。
その優しさが御身を滅ぼす日が来るのではないか。
俺は政宗様に、いらぬお気遣いを──
唇を噛む。
本当は分かっている。
政宗が帰国したのは翌日の昼だった。騎馬隊が整列して出迎え、その先頭にはもちろん小十郎がいる。長旅に疲れた顔もせず、政宗は騎馬隊を見、発破をかけ、不在中の役目をねぎらった。
「お帰りなさいませ。道中つつがなく」
「ノープロブレム。こっちはどうだった」
「特に大きなことは何も」
「そりゃよかった」
城に戻り、政宗は一息つく。留守中穏やかに過ぎたとはいえ、いくつかは政宗の決定が必要な書類もあったが、今はとにかく身体を休めてもらおう、と小十郎は決めた。
政宗は用意された茶と甘味を口にし、旅路のあれこれを小十郎に話す。軽い世間話と思い出話の合間程度の話ばかりだった。途中で食べたあれが美味かった、あそこの宿にいた小女が可愛かった、夜盗かと思ったら逢引きしている男と女だった──聞きながら小十郎は笑う。
笑いながら、政宗が本来の目的の話を避けたがっていることを感じていた。妙にはしゃいだ振りをしている。小十郎の質問を嫌がる素振りを見せる。
──……それはそうだろう。
安土へは政治的な対話をするために向かった。特に問題もなく終了したということは、政宗よりも先に馬を飛ばして帰って来た騎馬隊の一人から報告を受けている。
それでも、実際に共に政務を取り仕切る小十郎には政宗の口から色々なことを伝えられて当然のはずだった。過去も他国に赴いた時にはそうしていた。
だが、今回ばかりは話したくないのだろう。
話せば必ず吉の話になる。小十郎は別段、政宗に吉の様子を聞こうとは思っていなかった。だが政宗は話さなくてはならないと思っている──小十郎にはそれが分かる。政宗は不器用だ。日の本の多くの者はそう思わないだろうが、小十郎は知っていた。
不器用で、繊細で、酷く優しい。傍から見ている方が心配になるほどに優しい。小十郎の前でも虚勢を張る時がある。特に最近はそうだった。時にはまだ小十郎が苦言を呈することもあるが、昔のように子供の如き我儘を言うことも、言いたいことが通じずに癇癪を起こすこともなくなり、無理と限界の区別がつきつつある。天下獲りに名乗りを挙げる前に比べれば驚くほどに大人に、そして国主というものに生まれ変わろうとしている。
それでも、その不器用さ、繊細さ、優しさは変わることがなかった。この時代、それを上回る何かを持たねば弱点となると言ってもいい。そしてその何かを、政宗はまだ手に入れていなかった。
だがその全てを小十郎は慈しんでいる。それがあるからこそ政宗なのだと、だからこそ自分が人生を捧げる主君なのだと思っていた。政宗が小十郎に対してまでも虚勢を張り、俺に頼れという態度を見せれば微笑ましくもあり、だが、嬉しくもある。騎馬隊の青年たちや領民が政宗を熱狂的な目で見ていることは何よりも誇らしい。
──俺と、あいつのことで。
溜息を押し隠しながら、小十郎は政宗の取り止めもない土産話に付き合った。
──俺と、あいつのことで──お気を使わせてしまっている。
小十郎から見た吉はただの女だ。小十郎にとってはどんな女よりも女らしく、可愛かった。どこにでもいるような、ただの女にすぎなかった。すぎないからこそいとしかった。妻にするなら、共に暮らすなら、全力で守り、幸せにしてやりたいと思える女だった。
だが政宗──否、日の本全てからすれば違う。あの女だけは違う、そう言われる女だった。
魔王と呼ばれるあの女と、独眼竜の右目が夫婦であるなどと、広く知られてはならないことだ。知られた途端に織田と伊達の関係が不自然なのではないか、よもや片倉家が魔王の権威を借り、伊達家に取って代わろうと企んでいるのではないか、といらぬ憶測を呼ぶことになりかねない。そして狡猾な国主たちはそれを材料に奥州内部に工作を仕掛け、諍いを起こし、今や無視できぬ勢力となっている伊達軍を地方に封じようとするだろう。小十郎はそう予測していた。──俺でもそうする、と思っているからだ。
甲斐の武田信玄、真田幸村には知られていることだった。だが信玄は特にそのことで搦め手を取ってくる様子を見せない。信玄に忠実な幸村も同様だった。それなりに狡猾な真似もする信玄が、この話を使って来ないことが不思議だ、と政宗が言ったことがある。
そうですね、と、その時は小十郎もそう答えた。
本当は分かっていた。
──あの虎は、それだけはしないだろう。事情は知らないが──
甲斐の虎と妻の間には、他には理解できぬ何かがある。あの藤見の会の時、小十郎はそう直感した。
政治的には何度も駆け引きを繰り広げている二人だが、互いの人間的な部分を踏み躙る真似だけはしていない。敵対する国主の不名誉な話を流布することも戦法の一種と思われている昨今、それは傍から見れば不思議なことだった。
「あー、それでさ。OK?」
話すことが尽きたのか、政宗が咳払いをし、僅かに居住まいを正した。小十郎は「来たか」という顔にならぬように気をつけながら返事をする。
「つつがない旅路のようで、ようございました」
「ああ、うん、良かったんだけど、えーっと……言いにくいっつか……」
最後は口の中で飲み込まれるように呟かれ、小十郎にははっきりと届かなかった。だがそれは政宗が戸惑っている時の癖だと分かっている小十郎は溜息を抑える。政宗に対しての溜息ではない。主君に心配をかける自分に呆れる溜息だった。
「まあ、はっきり言っちまうとな」
「はい」
「奥さん、相変わらず綺麗だった」
「……恐れ入ります」
苦笑したくなったのはなぜなのか。政宗の言葉に、子供のような気遣いを感じたからだろうか。
「それで」
「政宗様」
「うん?」
小十郎ははっきりと言った。主君を戒めるためではない。これ以上気を使わないで欲しいという、自分の我儘な願いを伝えたかった。
「妻の話は、お気遣い下さいますな」
話を聞きたくないわけではない。そんなはずがない。訊きたいことは山のようにある。
妻は元気でしたか。精神は落ち着いているようでしたか。寂しそうではありませんでしたか。
──笑って、いましたか。
そう、山のようにある。それでも訊かない。訊けばこれからも、政宗はこんな機会があるたびに自分に気を使うだろう。吉に会うたびに心苦しさを感じるかもしれない。
心苦しさ──これもまた、小十郎は知っていることだった。
かつて政宗は小十郎に謝ったことがある。
小十郎と夫婦として暮らしていた記憶のない吉を、尾張に帰さざるを得なかったことを謝ったことがある。謝る必要はないと小十郎が何度言っても聞き入れなかった。
尾張に帰すという決断をしたのは小十郎であっても、政宗は自分に責があると言って聞き入れなかった。吉を普通の女として小十郎の傍に置いては奥州が危うい。主君を人質に取られたと断ずるに違いない織田軍勢と同盟国が、一斉に攻めてくる可能性が高すぎた。政宗ではまだ奥州を守り切れない時期だった。だから尾張に帰した。
力が足りなかった、背中を預ける男の妻一人守れなかった、と政宗は悔いていた。
妻のことはもういいのです。
奥州のためにはなりません。
ですからもう、あれのことは忘れます。
政宗にそう言えればいい。それで政宗は楽になれるはずだ。
それでも、それだけは言えなかった。何よりも敬愛する主君に対して、その嘘だけは言えなかった。──否、政宗だからこそ言えなかった。言った瞬間に政宗は察し、怒るだろう。俺を馬鹿にするな。そう言って虚勢を張るだろう。そして酷い自己嫌悪に陥るだろう。
「……何それ」
「いえ、それよりも、同盟の話は──」
「勝手に話変えんなよ」
小十郎は内心で首を傾げた。政宗の機嫌が悪くなったからだ。いつもの政宗なら、あまり触れたくない話を相手から避けた場合には大抵乗るはずなのに、今は違った。話を変えようとした小十郎に対して腹を立てている。
「……変えたわけではなく、織田上総介信長の──」
「やめろ。その呼び方やめろよ」
「政宗様?」
「ああ、いい。悪かった、sorry」
「……いえ」
「……あー」
政宗は呻き、それきり黙った。小十郎も言葉が見つからない。
その沈黙は小十郎に強すぎる罪悪感を与えた。
政宗様だけには──そう思って俺は生きているのではなかったのか。
それが誇りではなかったか。
俺は、何をしているんだ。
たかが女のことで。
たかが──俺たち夫婦のことで。
やがて政宗は立ち上がり、「騎馬隊見て来る」と言い置いて部屋を出てしまった。小十郎は頭を下げてそれを見送り、自らに決断を迫る時が来たのだと感じていた。
答えはひとつしかなかった。
騎馬隊の青年たちの訓練を見て戻って来た政宗は、腹立ちを忘れた顔をしていた。それが本当ではないと分かってはいたが、小十郎は政宗の演技を受け入れるしかなかった。
政宗は小十郎に安土での同盟確認の話を手短に行い、魔王の姐さんな、まああれはまだまだ病気とかじゃ死なねーよ、とさり気無く言って話を終わりにした。小十郎は心の中で感謝し、またぞろ、先の決断を胸の奥で反復する。
「流石に疲れたし、片倉さんちで飯食っていい?」
昔からよくあることだ。感情が乱れた時、政宗は城で一人で眠るよりも、子供の頃から出入りしている小十郎の家に行きたがることが多かった。元々断るつもりもないが、原因が原因ゆえに、小十郎はいつも以上に二つ返事で受け入れた。
使用人たちも政宗の訪問を歓迎する。酒と食事を用意し、あれやこれやと先を競ってもてなしたがった。特に政宗を小さな頃から知っている侍女のおこうは抜かりなく、政宗が過ごしやすいように気を砕いていた。
「あれ」
酒席を楽しみながら庭を見ていた政宗は、ふと思ったことを口にする。
「庭、少し荒れたんじゃねえか?」
「お気づきで」
小十郎は苦笑する。代々自慢の庭なのだが、政宗の指摘通り、最近手入れが行き届いていなかった。
「庭師の源爺が留守で」
「珍しいな」
「山小屋を閉めますので、その仕事を頼んでいるんです。元々源爺に小屋の管理をさせていましたし、雪が降る前に閉めないと面倒になりますからね」
「……ああそう、あの小屋。閉めんの」
政宗には説明するまでもない。
雪に覆われた日々、吉と夫婦として過ごした場所だった。
「もう、行くこともありませんし」
「……ふうん」
政宗に言うことはない。
小屋を閉めようと決めた時、本当は一度だけ行った。残すもの、残さないものを源爺に指示するためだ。
そしてその時に知った。思った以上にあの日々がいとしく、あの別れが自分をいまだ苦しめていることを。
小屋の扉の前に立っただけで足が竦み、鼓動が速くなった。
扉を開ければいるのではないか。囲炉裏の傍で火に当たっていた女が自分を見つけて微笑むのではないか。
微笑みながら言うのではないか。
おまえさま。
そんな幻想を抱いた。動けない小十郎の後ろにいた源爺が静かに言った。
ご覧になるまでもありませんや。源爺が何もかも捨てておきましょう。小十郎様は何もなさらず、結構ですとも。
そうだな、と、その言葉に甘えた。
結局、扉は開けられなかった。
「……お前が決めたならいいんじゃねえの」
「はい」
「何かさあ」
「はい」
「……何か、なあ」
政宗は何かを言いたいのだろう。小十郎は分かった。何を言いたいのか政宗自身が分かっていないことも、分かった。
──こんな思いをさせるのも、最後だ。
主君にこんな煩わしい思いをさせることは二度とない。
小十郎は決断していた。
──たかが俺とあいつのことで、政宗様をこれ以上、煩わせるわけにはいかない。
政宗が眠り、仕事を終えた使用人たちもそれぞれ床に就く。
障子越しに差し込む月光が眩しいことに気付いた小十郎は、行灯の火を消し、文机を持って縁側に出た。今日だけは部屋の中で書き物をしたくなかった。
あの日も月の光が眩しかった。むせ返るような藤の香りを思い出す。天守閣で月の光を浴びる妻が美しかったことも、だがその美しさは妻ではなかったことも。魔王であったことも。──小十郎に微笑んでみせた瞬間、ただの女に、妻になったことも。
いつもなら、思い出すことすら女々しいと自分を詰るところだった。それでも今夜だけは、どれだけ思い出しても、どれだけいとしんでもいいと自分を許した。
吉と出会った道、小屋で暮らした日々、別れの瞬間、再び会った時のいとしさ、それから──思い出せば何もかも、ほんの些細なことまで覚えている自分に驚く。
普通の夫婦のように多くの日々を重ねたわけではない。二人には役目がある。互いの役目が二人でいることを許さない。それでも確かに自分たちは、どこにでもいる男と女として互いを想い合っていたのだと、改めて思い出していた。どんな状況でも結局は妻を、夫を想っていた。
いつか役目を終えた時に迎えに行く。
約束した。
あの日に手にした藤の花が、その約束の証だった。
息を吸い、筆を取る。文章はもう決めてあった。長く書くつもりはなかった。
藤が約定 我が役目を超えるに能はず
当書を以て離縁と致す旨
御理解願ひ賜る
不思議と筆は躊躇わなかった。胸中も穏やかなものだ。
これでいい。そう思った。これでいいのだ。
吉も理解するだろう。賢い女だ。どのような心が互いにあれど、これが一番良い方法だと本当は分かっているはずだった。
妻がこれを読んだ時のことは敢えて考えない。もう離縁する女だ。そこまで考えてはならない。
墨が乾くまで月を眺めて過ごす。あの日も月は自分たちを見ていたはずだ。今日の自分も、手紙を受け取る時の妻も見届けてくれるだろう。
手紙を折る前に印を押そう、と思い立った。最初で最後の手紙だからこそ、完全に整えるべきだと思った。
部屋に戻り、印を探す。どこにあるかなど分かっているが、何とはなしに緩慢な動きになる。
ようやく印の入った小箱に手をかけ、開けようとした時だった。
慣れ親しんだ気配に自らを呪う。手紙も部屋に持って入るべきだった。だが起きるとは思っていなかったのだ。
息を吐き、振り返りながら立ち上がる。
「お休みになられたのではなかったのですか」
月明りだけの夜目にもはっきり分かるほど怒りの表情を湛えた政宗に、出来る限り穏やかに声をかける。
政宗の右手には無残に握り潰された手紙があった。やはり、と溜息を堪えつつも、小十郎は気付く。政宗の左手に枯れた花が握られていたのだ。
「これ、渡すの忘れてたから来たんだけどよ」
今にも爆発しそうな感情を必死で堪えている声で言い、枯れた花を小十郎に突き出す。小十郎は黙って受け取った。
「……桔梗、ですか?」
「姐さんの花だ。姐さんが俺に摘ませた」
話が分からず、小十郎は戸惑って政宗を見る。政宗は辛うじて感情を抑えていた。だが漏れ出る怒りが抑えられず、声が震えている。
「これ、何だよ」
「これ、とは」
「何これ。何書いてんだよ。字の練習にしちゃ例文が酷ぇぞ」
「……そのままです」
返して欲しいという意思を、手を伸ばすことによって示す。だが政宗は小十郎の手を強く叩いた。小十郎は驚きはしなかった。今の政宗ならそうするだろうと予想していたからだ。
「政宗様」
「何だよ」
「お返し下さい。いかな政宗様でも、小十郎とあれのことはお決めになれません」
「──あれって何だよ! 奥さんのことをあれって何なんだよ!」
迸った感情が声を大きくした。小十郎は宥めなかった。元々、一度感情が乱れれば激情する政宗だ。宥めれば逆効果だ。
政宗をも傷つける結果になるのだと、やっと思い至った。小十郎の妻を守れなかった過去を思い出し、今もまた、この決断をさせたことに傷つくだろう。
傷つけたことは一生後悔する、と小十郎は思った。だが意を翻すことはできなかった。このままではいつまでも、何度でも、傷つき続けるだろう。
傷つき続けるのだ。
政宗も──吉も、小十郎自身も。
「……もう、離縁する女ですから。あれで充分でしょう」
「あれじゃねえよ! 馬鹿野郎! 馬鹿じゃねえの!」
「政宗様」
小十郎はやや焦った。政宗の怒鳴り声が激情を通り越しかけている。子供の頃以来の姿だ。
まるで子供の癇癪だった。
「何でそんなことすんだよ! 何でだよ!」
「これが一番良い方法です。御理解下さい」
「分かんねえよ! 何でお前が姐さんにそんなことすんだよ!」
「政宗様──」
「──俺、姐さんのこと泣かせて来た!」
咄嗟に何を言えばいいのか分からず、小十郎は言葉に詰まる。政宗はまたも怒鳴った。喚いていると言っても良かった。
「お前と別れてくれって言ったら、姐さん、泣いたんだ! 可哀想じゃねえか! 何でお前がそこまでするんだよ! 泣かせたの俺だけど、でもお前だってそこまですることねえじゃねえかよ!」
言っていることが無茶苦茶だ。小十郎は混乱しかけた。
──政宗様が泣かせた? どういうことだ? 別れてくれ? どういうことだ?
「政宗様、もう少し詳しくお聞かせ下さい。何があったのですか」
「姐さんに小十郎と別れてくれって言ったら一緒に散歩しようって言われて、庭で桔梗の花摘まされて、姐さんが欲しいのかと思ったら受け取らないで追い返されて、それで姐さんは泣いてたんだよ! 泣きそうな顔しか見てねえけどあれ絶対泣いてた!」