※R15※ 手錠と目隠し
タイトル詐欺。手錠と目隠しを使おうとして未遂。
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たまにはそんな遊びもしてみたら、とBJが渡されたという小道具がこれか。俺はしげしげと見詰めて、見せて来たBJは顔が赤い。
手錠と目隠し。
「おまえ、気の利いた友達がいるんだな」
「……あの」
「うん?」
「……ユリさん」
「……何だって?」
訊き返したが返事はない。俺も聞きたかったわけじゃない。ここはひとつ、聞こえなかった振りを貫いて話を進めよう。
はっきり言ってこういう遊びは嫌いじゃない。BJに耐性がないからしないだけであって。
ただしあくまで遊び。本格的なSMプレイは俺たち以外の誰かにお任せする。
「でも、こういうの」
「うん?」
「……わたし、されるの、やだ」
なぜ赤くなる。なぜ涙目になる。俺が強制するとでも思っているのか。可愛い恋人が嫌だと言うことを強制するはずがないだろう。
目隠しと手錠をしたおまえを組み敷くのも悪くない、むしろ無茶苦茶興奮するなんて話は別次元に放り投げておくとして。……あ、まずい、滅茶苦茶興奮しそうになった。俺の想像力は少し休憩するべきだ。
「だから」
だから何だ。何でも言ってみろ。おまえに惚れ抜いている俺が断ると思うのか。そう、おまえのためなら俺はいつでも賢者になれる。なるとは言わない。
「キリコがして」
「俺が」
「うん」
「俺が?」
「うん」
断っちゃおうかな。と思った俺を責めないで欲しい。
むしろ、おまえやり方知ってるの、って訊かなかった俺を褒めて欲しい。
俺が要望を受け入れたからってBJのテクニックがいきなりレベルアップするはずもなく、むしろ知識が足りなくて困っているのは明白で、玩具の手錠で拘束されて自由にならない手と目隠しの下で、俺は笑いを堪えていた。
一生懸命なんだろうな。それは分かる。可愛い。拘束したはずの俺におずおずとキスしたり、触ったり、それからたまに「ええと」と小さく呟く声が聴こえる。きっと赤くなってるだろうし、どうしよう、って顔に書いてあるんだろう。
何してるんだ、とここで挑発すれば、きっと意地になって怒った振りをして、また一生懸命俺を支配しようとして、実際は奉仕しようとして、知識が足りなくてうまくいかない。そんなことまで想像するのは簡単だ。
そんなことになればまた涙目になって、ごめん、わかんない、つまんなくてごめん、って言うだろう。それはあんまり好きじゃない。
好きじゃないからな。
「マフィン」
言うしかないだろう。
「もう外せよ」
目隠しも手錠も、俺はそれなりに楽しんだよ。おまえが可愛かったからね。
「おまえを可愛がる方が楽しい」
「……馬鹿じゃないの」
「馬鹿で結構」
馬鹿じゃないのと言いながら、心なしか急いで手錠と目隠しを外しにかかる女に笑いかける。
こういう遊びも楽しんだけど、やっぱりね。
おまえが俺にされて、滅茶苦茶よろこんで、とろけてる顔を見てる方が、俺は好きだな。
俺しか触れない、見られないっていうのもあるしね。
だから手錠も目隠しもいらないよ。
さあおいで、目一杯可愛がってあげるから。

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